誰のために

30代女性

震災時居住地:岩手県陸前高田市

現居住地:宮城県気仙沼市

タグ: 岩手

震災の頃のことを思い出すと、つくづく自分は何もしなかった。支援物資を配布している体育館に行ったら、元職場の後輩が、物資配布のボランティアをしていた。家族を亡くした彼女が誰かのために頑張っている姿を見て、勝手に罪悪感を感じた。それを少しでも減らしたくて、まちづくりに関わり始めた。

数年前から、自分は誰のために活動しているのかを考えるようになった。ふと思い出したのは、2012年に若い人の声を聞く会の運営をお手伝いした時のこと。「震災で好きだった町の形は変わってしまった。今の町は嫌いだけど、いつか、前と同じように好きになりたい」。そんな言葉を聞いた。

あれから10年。あの子は、今の町を前と同じように好きになってくれただろうか。これから好きになってくれるだろうか。別に連絡先を交換したわけでも親しくなったわけでもなく、あの1回きりしか会っていない。その後どうなったのかもわからないし、追いかけて確認するつもりもない。でも、好きになってくれていたらいい。きっと、そのために私は活動を続けている。

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