10年を振り返って

星 仁70代男性

震災時居住地:宮城県宮城郡七ヶ浜町

現居住地:宮城県宮城郡七ヶ浜町

タグ: 宮城 津波

昭和44年に開業した理容店は、津波で流されてしまった。一切合財流されてしまったが、サインポールだけ塀の裏に残っていた。歳も歳だし、全て道具が失くなって、断念しようかとも。
でも、県の理容組合に全国から道具が送られてきたり、お客さんからの声もあって、平成23年12月に仮設の店舗で営業を再開した。店では、髪を切る人に限らず、気軽にお茶できるようにしてた。厚生労働省の人が視察に来た時は、県の担当の人から、視察の時はお茶飲み場を片付けて置いてはどうかって言われたんだ。でも、そのままにしておいた。昔は「床屋談義」っていって、将棋したり、お茶したりしてたんだ。この店は、「被災した方の拠り所、気軽に寄れる店にしてるんだ」って言ったら、向こうも「大切な事ですよね」って言ってくれた。時間が空いた時には、息子から送ってもらった帆船の模型を作ってた。2年ちょっとかかったかな。
平成27年11月に、今の高台移転先でお店を持ったけど、気持ち的には震災前に戻ったというか10年経つと落ち着いてきたかな。今思うと、自分の行動次第では助からなかったと思うことが2つある。生かされた命ってのもあるし大事に生きていこうと思う。