忘れていいこと、忘れたくないこと

三浦隆一40代男性

震災時居住地:宮城県仙台市

現居住地:宮城県仙台市

タグ: 宮城 地震

図書館の本棚から滝のように本が落ちてきて、建物の太い柱と壁の間には、大きな隙間ができては消えていた。外に出ると信号機が柳のように揺れていて、家に帰ると、電気も水道も止まり、余震のたびにひび割れた壁からほこりが落ちてきた。
あの日から10年が経とうとしている。
見知った景色は失われ、多くの悲しみが今も消えずに残っている。この十年、復興支援を仕事としてきた。できることを、がむしゃらに、やれるだけやってきた。最近、何ができたのか、これから何ができるのかよく考える。失ったもののために、支援でいただいたご恩に報いるために、これからを担う次の世代のために、力強く歩まなければという気持ちと、何もできることなんてないのかもしれないというあきらめの気持ち、ふたつの気持ちが私の中に混在している。今後、長く宮城で暮らしていくために、歩むペースを変えるタイミングが来たのかもしれない。
美しいものも、目を背けたくなるようなものも、いろんなものを見聞きしてきた。忘れてはいけない、忘れたくないと思った出来事を、しっかりと心に捉えて、離さずに、いろんな人と一緒に歩める無理のないペースで、これからを歩んでいきたいと思う

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