「頑張れたのは家族と支えてくれた方々のおかげ」

芳賀唯未30代

震災時居住地:宮城県気仙沼市

現居住地:東京都

 母と故郷を突然失った辛さは簡単に消化できるものではありませんでした。それでも私には当時まだ1才にもならない長男がいて、2人目も授かり、日々その小さな命を守ること、暮らしを守ることに必死でした。
 私と主人と息子と、カバン夫婦1つずつで小さな部屋から始まったこの地での生活から10年。我が家は本当にいろんなことがありました。広い部屋に引越したり、出産、入園卒園入学、七五三などおめでたいイベントも続きましたが、病気やケガや入院があったり、経済的にゆとりがなかったり、大変なこともたくさんありました。
 震災で失ったものはとても大きくてどんなに願っても戻らないです。もうこんな悲しみは経験したくないと思います。でも、この震災によって出会えた人の多さ、繋がったご縁、受けた優しさはかけがえのないものでした。夢なんて思い描く余裕もなかったのに、いつの間にか夢を見ることが出来て、毎年少しずつ夢が叶っていくのは、主人は元より、今まで支えてくれた方々のおかげだと思っています。
 失ったと思っていた故郷も生まれ変わったみたいに生き生きと前を向いて復興してきている光景を見て、私の故郷はちゃんとあるんだなと思えました。復興に携わってくださった方々には改めてお礼申し上げます。

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