歴史の積み重ね

小林和枝50代女性

震災時居住地:福島県双葉郡富岡町

現居住地:福島県郡山市

タグ: 福島 原発事故

いつも思う。
震災後、避難先での生活で、どうしても田園風景を見たく会津地方に車を走らせると一軒、一軒の歴史を感じてしまう。それは、長い間使わず積み重なった植木鉢だったり、軒下に何年も置かれた工具だったり、お隣さんとの会話している風景や家の周りの雑草だったりと、当たり前の日常の風景がそこには存在する。
その光景は、まったく違う町や環境でも自分の生まれ育った「町」と重なり、
「あ~そうそう、懐かしい、これこれ」と思ってしまう。
当然、生まれ育った我が町にも歴史があった。自分にも毎日、何気に積み重ねていた歴史があった。震災だけだったら復興は大変でも歴史は繋がっていけた。
原発事故で町を追われるまでは・・・・。
除染し解除になっても、その空白の数年間は、風景が一変して、自分たちの積み重ねた歴史が、たち切れた空白になり、色んな意味で繋げていけないままに今もある。
その、変わりない日常の風景が、どんなに羨ましいか、避難先の10年の歴史はあるけれど、避難することが無かったらの想像の10年もある。
そして、堂々巡りの思いは「私だけではなく皆なんだ」・・で、終わらせるしかない。