次の10年への通過点

前田佳子50代女性

震災時居住地:東京都世田谷区成城

現居住地:東京都世田谷区成城

タグ: 原発事故

3.11の日の記憶は10年経っても鮮明に甦ります。金曜日の午後、立っていられないほどの揺れ、電車が止まって何度もスマホの警報に起こされながら職場で過ごした夜、その後の節電で暗くなった東京に立ち込める不安な空気。しかし、本当に現地の空気を吸ったのは6年半が経過した2017年10月でした。
国道 114 号線は福島第1原発事故の帰還困難区域の真ん中を通っており、事故後通行止めとなっていた川俣町境から常磐道浪江 IC 付近までの 27km は 2017年9 月から通行止め解除となったばかりでした。大柿簡易郵便局は通行止めが解除になった区間よりも少し海に近い場所にありました。国道沿いの少し開けた感じの場所で、設置されている空間線量計は 5.0μSv とやや高めの値を示していました。そのすぐ近くの地面にはカピカピの土のようなものがこびりついていて、線量計を近づけると 33〜70μSvと空間線量の10倍以上を示していました。6年以上が経過しても身近に高濃度の放射能物質が存在し続ける恐怖と戦い続けるフクシマの現実を目の当たりにしました。今年で10年、それは終わっていない復興への次の10年への通過点です。

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