無題(タイトルなし)

三瓶久子

 ポジティブな私は、後を振り返えるのは嫌いで、常に前だけを見て来た十年だったと思います。富岡で九人家族で賑やかに楽しく暮らしてた生活は、震災によって一変しました。
 息子を頼って関東に避難したのに、四月五日にくも膜下出血で倒れた息子の姿を前に、医師から命が危ないと告げられた時は、愕然とし、この世には神も仏も無いのかと本当に思いました。今でも不思議ですが、あの時の満開の桜はどれも灰色でした。
その息子は今はいません。
 でも、いろんな方々があたたかい手を差し伸べて下さり、私もありがたくその手を強く握り、一つ一つ繋がりをもって来ました。
よい人達に巡り会えて、とても幸せだと感謝してます。
 最近のわが家は、令和生まれの新しいメンバーが加わり、また九人でわいわい賑やかに暮らしてます。
 恩田川の桜も川に競り出し、青空とのコントラストがとてもきれいです。
 誰かの言葉に「置かれた場所で咲きなさい」とありますが、
 大好きな言葉です。

ことばを送る

「3.11から10年となる、いま思うこと」について、あなたの声をお聞かせください。