降り積もりし雪

AI20代女性

震災時居住地:福島県南相馬市

現居住地:福島県福島市

タグ: 福島 原発事故

最近の震災についてのニュースや記事では、「もう震災から10年たったのだから被災者のままではいられない」「震災から10年、未来に向けて福島の復興を目指しましょう」というような明るい言葉や頑張っている人達を見聞きすることが増えた。前向きな言葉や人達に励まされ、誇りに思う一方で、私の心はいつもモヤモヤとした違和感を拭えずにいる。

震災当時、高校受験の合否発表を控えていた。それからの10年間で、高校を卒業し、大学に進学し、福島未来学も幾つか学び、就職した。けれどその間、私は自分自身の震災の経験について一度も思い出そうとしなかった。

決して震災の辛さを思い出したくなかったわけではない。トラウマになったわけでも、克服したわけでもない。ただ、あの時の記憶は今でも心の中で、音もなく、静かに、雪のように積もって、けれど雨のように流れてもくれず、深々と心身と益々積もりに積もり、足元を真っ白に染める。そして、今日も私は晴れない心を抱えたまま、何も変わらぬ日々を淡々と迎えている。