想定しなかった事が突然

想定しなかった事が突然  赤尾久美子

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 平成23年3月11日(金)14時30分頃、確定申告の為、浪江町役場で受け付けを済ませ順番を待っていました。すると大きな揺れが続き、申告は中止になり、役場職員は避難所準備を始めてました。私は自宅に帰える事にしました。途中の道路は亀裂が入っていたり、民家の屋根瓦が落ちていたり、自宅が壊れていないか心配しながらも無事自宅に着きました。

余震が続き、その上停電で情報も入らず不安でした。翌日から主人、犬と避難生活の始まりです。浪江町津島(車中一泊)→西東京市兄宅(二週間)→山梨県韮崎市(六カ月)→福島県浪江町仮設(三年五カ月)→西東京市(六年現在)三月末山梨県に引越し、韮崎市の県営住宅では原則ペット不可でしたが、住宅担当者が「入居者の承諾を得られれば良い」との事でしたので、四日後開かれた団地の総会で事情を話したところ全員が犬も受け入れてくれました。皆さんとてもやさしくて、気晴らしに「笛吹市の桃源郷」など、さそってくれました。また、団地から観た壮大な富士山は、今でも心に残っています。

八月末福島県に引越し、福島市の浪江町仮設では、多くのボランティアさんに助けられました。タライ持参の地元高校生足湯ボランティアは、高齢者に評判が良く、「足が温まり軽くなった」と喜んでいました。体操、手芸、茶の湯(お茶の作法)などのボランティアさんが来ていろいろ教えて頂きました。

そして西東京市へ、社協さんからのお誘いで市民の方、福島県の方と知り合う事が出来ました。一緒に手作業したり、バザーに参加したり活動させて頂いています。

この十年を振り返って、浪江町の友達との別れ、仮設で親しくなった友達との別れなど寂しい事、悲しい事もありましたが、新たに沢山の人々との出合いもあり、嬉しい事もありました。

今は、落ち着いた生活を送っています。